2014年11月26日水曜日

少子化の波【国語担当】

少子化という問題は社会が成熟してくると起きてくる問題である
…と古代ギリシャの書にもあるそうだ。
少子化には、多方面に様々な影響があるわけだが、今回は、
教育産業のひとつ(予備校)に、スポットをあて、考えてみる。
今年8月末、大手予備校の代々木ゼミナールは、今年度中に全国の27拠点を
主要都市の7拠点に集約し、利用ニーズの高い大学入試センター模試を中止。
背景には少子化による受験人口の減少、現役志向の高まりに伴う浪人生の減少があるとし、
これまでの拡大路線を修正する縮小案を発表した。
「志望校が母校になる」これは代々木ゼミナールのコーポレートコピーである。
「第一志望はゆずれない」の駿台予備校、
「すべては一人ひとりの生徒のために」の河合塾とともに三大予備校と呼ばれている。
この私も、代々木ゼミナールの卒業生であり「志望校が母校になった」ひとりである。
私が通った1980年代は、全盛期だったのかもしれない。代々木校舎だけでも、
1000人以上の学生(浪人生)が在籍していた。3浪以上の多浪君もいた!
とても明るい雰囲気で、予備校というよりは、専門学校のような感じであった。
人気講師の授業は、先着予約制だったし、当日は、席の確保に並び、
また、現役生が通う夏季講習期間は、立ち見(立ち受講?)も出た。
講師の出待ちをしている学生、講義終了後は、質問と称して講師室前に、長蛇の列。
ファンクラブなんかもあったようだ。
講師目当てに浪人しているなどというツワモノもいた!

もともと私立文系受験に強みを持つ代々木ゼミナールは、現役志向が高まる状況においては、
不利だった。その上、インターネット光回線の普及による講義の動画配信が主流になる中、
この取り組みが遅れ、また、相次ぐ有名講師の流出が大きく響いたようだ。
代々木ゼミナールは、駅から近い好立地にあり、過去、校舎の有効活用を行っている。
札幌校は、狭い新校舎に移転し、旧校舎は貸会議室に、津田沼校は、マンションに。
本部校は商業施設と貸会議室に、原宿校はコインパーキングに、浜松校はデパートに。
少子化問題(人口減少社会)により、旧態依然とした学校運営が成り立ちにくくなってきている。
とはいえ、少子化の波は、今に始まったわけではない。
この代々木ゼミナールの縮小については、すでに10年前から想定していたという声も。
事業縮小の核心は、別の所にあるのでは…という意見もあるようだ。
代々木ゼミナールも一企業である。OGとしては、今後どういった方向に舵を取るのか
見守っていきたいと思っている。

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