2014年11月19日水曜日

世知辛い世の中【国語担当】

東京都は、騒音防止を定めた「環境確保条例」について、現在は規制対象と
なっている「子どもの声」を除外する方針だという。
「何人(なんぴと)とも規制基準を超える騒音を発生させてはならない」。
条例の条文はこう明記し、子どもの声も規制対象に含まれると解釈されてきた。
…知らなかった↓「子どもの声は騒音」あたるというのだ。

国土交通省のマンション総合調査によると、マンション三大トラブルとは…
①駐車問題 ②生活騒音問題 ③ペットの苦情(共同生活特有の苦情)
子どもの足音や飛び跳ねる音、赤ちゃんの泣き声なども②に含まれる。
私もこの問題に関しては、他人事ではない。子どもの走る音がうるさいと何度も
苦情を言われた経験がある。当時は、ちょっとしたフローリング恐怖症に陥った。
今、居住しているマンションでは、中庭で子どもが遊ぶのは禁止になっている。
また、キッズルームでのゲーム機の使用、カードゲームの禁止…静かに会話を
する場としての使用と定められている。
生活音問題は「感情公害」と言われている。つまり、音を出す相手方が
「見えない」ことによって、音の発生源を「感情的に悪く」捉え、被害者意識が
高まるというものだ。生活音の出し手と、受け手の関係が希薄であればあるほど
生活音は迷惑音になり、騒音となり、クレームやトラブルへと発展する。

「日中の住宅地(中庭)に響き渡る子どもの歓声」をどう感じるか。
なぜ子どもの声が「騒音」になってしまうのか。
「世代間の分断」が理由の一つにある。少子高齢化社会では、高齢者が日常的に
子どもと接する機会が減ってきている。静かな環境に慣れ、穏やかな暮らしを送る中で、
子どもの声は、「異質な音(騒音)」に聞こえてしまうのかもしれない。この心情を
どう感じるか、感じ方は人それぞれのため、何が正しいかは簡単に決められない。

東京の住宅街でも、郊外のマンション街においても、住民の超高齢化が進んでいる。
1116日は、138年前、日本に初めて幼稚園ができたことを記念する幼稚園の日。
「子どもの声は騒音か」という問いに対して、地域合意をつくらなければならない時期に
入っている。
「子どもの夜泣きがひどくて…泣き声うるさくないですか…」と謝罪している
お母さんに「子どもは泣くのが仕事よ。子どもの泣き声って懐かしい。気にしないで!」と
言っているおばあさんが…。なんとも優しい言葉で、なんだか感動した。

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