2013年2月27日水曜日

歳月人を待たず【国語担当】

私も、上京した当時は、人前で話すのが嫌だった。気をつけて
話しても、イントネーションが違っていたり、どこにアクセントを
持ってくればいいのかわからない言葉がたくさんあった。
同じ大学の商学部に福島出身の知り合いがいた。彼は、郡山市内の
出身で、ご両親はホテル経営(東京で言えば、成城あたりに住む
お坊ちゃまってとこ)。しかし、福島出身ゆえに当然のごとく、
訛っていた。ってことで、あだ名は「田吾作」。
なんか…理不尽な気がした。
大阪の子たちは「なんでやねん!」と明るく突っ込みを入れて
笑われ、私たちが「んだげんちょも…」って返すと引かれるのは
どうして?そんな葛藤を繰り返しながら、郷に入っては…で
福島弁は、福島で…みたいな感じに落ち着いた。

「大人になって変わったこと」…私は、いろんな意味で「丸く」なった。
年齢とともに、許容範囲が広くなったし、また、危険(自分にとって)
を察知する能力を身につけたようで、危険人物には近づかないようになり
人間関係での苦労は少なくなった。好き嫌い(人・物・食等)もグレー
ゾーンが広くなり、嫌いでも態度に出さないし、厄介なものは、
とりあえず受け流すようになった。それでも「嫌い」なものは
「苦手」とか「得意じゃない」とか濁して避ける。
身体も随分丸くなった↓。大食いだったのにバイキングに行くと
すぐ下痢(失礼)する→元が取れない。
酒豪だったのに少しのお酒で二日酔い↓。
鉄棒が大好きだったのに、逆上がりもできない。
ブランコのったら目が回った↓
目立ちたがりで、何でもできるような気がしていたが、
自分の「分」というものを考えるようになり、日々、粛々と生きている。
未来を案ずるより過去を懐かしむ方が多くなった。
「桜」を見ると、心から美しいと思うようになった。
時間は無限にあると思っていたが、一日どころか一年があっという間で
「歳月人を待たず」という言葉が身にしみる今日この頃だ。

2013年2月23日土曜日

変化したもの【数学担当】

福島弁…若いころは決して話さなかった。
「…だべ?」なんて恥ずかしくて言えなかったよ。
方言がカッコ悪いと思っていたし、福島出身ということも
できれば隠していたかった。
年を重ねるにつれ、抵抗は薄れていたけど
大きく気持ちが変化したのは、3.11の震災の後。
福島の人たちが、福島の言葉で話しているのを耳にすると
標準語で話しているときより深く心に刺さって
涙が流れてしかたなかった。
今では「お国言葉っていいよな。」ってしみじみ思っている。
家の中では夫(茨城出身)と時々しゃべっている。
つい出ちゃったりすることもあるし。

他にも若いころは抵抗があったのに、今はOKっていうもの
結構たくさんあるかも。
食べ物は特に。学生の頃はハンバーグとグラタンとスパゲッティしか
食べられなかった。まず、肉が苦手だったもん。
夫と会ってからは何でも食べられるようになって、ちょっとゲテモノじみた
珍味の方が好き。
早寝早起きも✖→◯へ。むしろ夜は起きていられない(>_<)
ギャーギャー泣く子供は大っ嫌いだったけど、今は平気。
中年のおじさんも✖→◯(これがダメなら離婚の危機)。
昔◯で今は✖のもの。チューハイ、甘いもの、バイキング、ペンション
スキー。汚い部屋とミニスカート(あ、これは物理的にムリか)。
変われば変わるもんだ。
若いとき✖で今も✖の、混んでる女子トイレ→間に合わない→
男子トイレ使用!が◯になる日が来たら、いよいよ私も終わりだ~。
 

2013年2月20日水曜日

敗北感【国語担当】


数ちゃん…「大変よくできました!」
でも、都会言葉を読んだ後のこの…敗北感って、なんだろ?!
字面でこれだけなんだから、響きは相当だろう…。
前出の横浜出身の友人は、母親の実家が福島県で
幼い頃、よく田舎に遊びに行ったらしい。
「福島の子って、若くて可愛い女子校生とかも
訛っているのね!」って。当たり前だろ~が~!!
しかし、私も「津軽弁」を生で聞いた時は、驚いた。
訛っている上に言葉自体も違っていて、話の内容が全くわからなかった。
同じ東北弁なのに、津軽弁…「最強だ!」と思った。が、
前出の友人いわく、「そういうの、目クソ…何とかって言うんじゃないの」。
目クソが「福島弁」で、鼻クソが「津軽弁」ってことかよ!

だが、さすがに「これぞ、キング オブ 都会の言葉」と感嘆し、
福島弁の敗北を認めざるを得なかった言葉がある。
それは「平気」という言葉だ。都会の人たちは、何かに
つけてこの言葉を使用する。
ちょっと、つまずけば「平気?」。お誘いも「明日、平気?」。
賞味期限見て「これって平気?」。心配の意味で「平気?」。
確認の意味で「平気?」。ちょっとした気遣いで「今、平気?」。
回答も、もちろん「平気!」「平気・平気」だ。
何かにつけて、「平気」を連呼するのだ。
しかし、福島県民の辞書に「平気」という言葉はない。
せいぜい頑張って「大丈夫」だ。「さすけね」(差し支えないが語源)とも言う。
「大丈夫がい?」「大丈夫だばい?」「さすけねぇべぇ?」
回答は「大丈夫だ」「大丈夫だべ」「さすけねぇべした」と使う。
「平気」…美しい。響きもお洒落!
まいりました。完敗です

2013年2月16日土曜日

福島弁講義編【数学担当】

はい、それではみなさん。今日は先日の福島弁具体例の講義を行います。
まず最初に、ポイントとなるいくつかのボキャブラリを解説しましょう。
「さすけねぇ」これは、HNK八重の花でも頻繁に出てきていますね。
「大丈夫。ノープロブレム。」という意味です。
「ごせやげっごど~」これは、難しいですね。「イライラする」です。
別の表現として「いじやけっちま~」とも言います。
頻出単語としては「だけんちょも」。
「〇〇だけんちょも」や文章の初めに接続詞として「~。だけんちょも~」
というように使ったりもします。

では、例題翻訳を見てください。
国…「いらっしゃった?お迎えに来たわよ」
友…「ええ、今用意していたところ。ちょっとおあがりにならない?」
国…「せっかくだけれど、そうもしていられないわ。あ、これ、少しだけれど
   先日のパリ土産。」
友…「いつも悪いわね。ありがとう。じゃあ、行きましょうか」
※銀座三越にて…
友…「あらこれ、いいじゃない?」
国…「いいわね!試着してみたらいかが?」
友…「…ちょっとタイトかも…もうワンサイズ上あるかしら」
国…「そうかしら、大丈夫よ。」
友…「少しふっくらしてみえないかしら。」
国…「(もとからデブとはいえないし)そんなこと全然ないわよ」
友…「(心にもないこと言って、もう!)そうかしら。じゃあ頂いていくわ。」

友…「支払はこのゴールドカードで。あらお安いわね。3万円よ。」
国…「ホント、お買い得だわ。」
友…「ちょっと疲れたわね。うちにお寄りにならない?
   父と母が昨日から箱根に行ってるのよ。」
国…「じゃあ、お茶一杯頂いていこうかしら。」

さあいかがでしたか。自分のノートと比べて、もう一度復習しておいてください。
ここ、試験にだしますよ。いいですか~。

2013年2月13日水曜日

福島弁【国語担当】

東京に出てきた時、自分がものすごく訛っているように感じた。
初めて、生で!「都会の言葉」を聞いたからだ。
言葉自体もそうだが、イントネーションが全然違う。
横浜出身の友人に「違うよ。それじゃ雨じゃなくて飴だよ!」
と笑われた。橋と箸、柿と牡蠣…福島弁にイントネーションの
区別はない。「不便じゃないの?」と言われたが、そんなこと
考えたこともなかった。
福島弁は東北方言の一種で、関東北東部に共通する無アクセント
(崩壊型アクセント)が特徴。カ行は鼻濁音化して「ng」と発音される。
語尾に「べぇ」「だべ」がつくベエベエ言葉が多い。

例文…『国ちゃん帰省し、友人と買い物(デパート)に行く編』
国…「いだが~い?むがえさ来たんだげんちょ…」
友…「いだよ。今、用意してっから、ちっとあがって待ってっせ」
国…「いや、そうもしていらんにべ。これ、ちっとばっかしだげんちょ、お土産。」
友…「いっつもわりない。どうもない。んじゃ、いぐがい?」
※「うすいデパート」にて…(注)うすいデパートは地元民憧れの
百貨店。しゃれ~たセンスのうすい・みんなのうすい♪(歌もある)
友…「これ、いいんでねぇがい?」
国…「いいべした!着てみっせ!」
友…「だめだ。腹きつくて入んねでば。この上、あっかな?」
国…「どれ、見せでみっせ。さすけねぇんでねぇがい?」
友…「腹、太って見えっぺよ!」
国…「もどがら太ってっぺよ!」
友…「ごぜやげっごど~!おめにゆわっちゃぐねぇない。」
(と言いながらも購入!)
友…「いや~たまげだ!3万だど!んだげんちょもせっかぐだがら、買~べぇ。」
国…「支払い考えっとあんべ悪ぐなりそだない。」
友…「だげんちょ、うすいのだがらしゃ~ねべぇ。疲っちゃがら、わげさ寄ってがねぇ?
   じさまとばさま、中ノ沢さ行って、居ねぇがら!」
国…「んじゃ、お茶一杯だげ、ごっつぉになってぐがな~」
※中ノ沢…ひなびた温泉街、だが地元老人の憩いの場。
さあ、数ちゃん、おしゃれな都会の言葉(マダム風で)に、訳してみて!
うすいデパートを伊勢丹、中ノ沢を箱根に変換してね!

2013年2月9日土曜日

思い出す【数学担当】

「ゴールデンボンバー」がそんな歌をうたっているとは知らなかった。
紅白では、やんちゃなメンバーがオイタをしないか
ハラハラしながら見たけれど…
音楽について言えば
最近でこそ、話題のワン・ダイレクションなどを聴いたりするものの
やっぱり年代的には桑田圭祐や平井堅が好き。
ウォーキングしながら、iPodにインストールした桑田の歌を聴いていたら
「東京には空がない」とか「蟹が…力を合わせて」「名前はまだ無い」など
あれれ…どっかで聞いたことがあるぞ…。
これ、”声に出して歌いたい日本文学”という曲だった。
日本文学の有名なところを取り出して、曲をつけたみたい。
興味がある方はちょっと聴いてみて。あ~、そんなフレーズあったよね
って思い出すから。
昨日はNHKで、佐藤浩市の30年くらい昔の映画の一部が放送されていた。
確かにあの映画観た。印象的なシーンだったので覚えている。
学生の頃は、本は回し読みで乱読して、映画は上映されているなら何でも観ていた。
(国ちゃんと「花街の母」な~んて映画も観たよ。覚えてる?)
そんな記憶が、ひょんなことからよみがえって来る時って
なんだか楽しい。そして、その時代の懐かしい思い出も一緒にやってくるから
気持ちがホンワカしてくる。
こんなおまけがついてくるなら、高校時代や大学時代に
いろんな本を読んでみるのもいいことだよね。

中学入試が終了しました。みなさん、がんばりました。おめでとう。
高校入試もいよいよ本番。そして大学入試は長い試験期間が始まりました。
みんながんばれ!


2013年2月6日水曜日

赤裸々【国語担当】


今、人気急上昇中の「ゴールデンボンバー」…
「女々しくて」で昨年の紅白歌合戦出場も果たした。
彼らの歌の歌詞がすごい!
私たちの年代は、ユーミン・中島みゆき・桑田圭祐…等々
独特の世界観を持っている大御所たちの世代。歌詞と曲調が
見事にマッチしていて、更なる感動を巻き起こす。
ユーミンが「歌詞はすごく楽しいか、すごく悲しいか、
どちらかでないと共感を得られない」と語っていたことが
ずっと記憶に残っている。それでいて、ユーミンの
世界観は割と身近な感じだし、中島みゆきの世界は壮大。
桑田圭祐はとても繊細。
で、ゴールデンボンバーは、どうだろう。
「女々しくて」のように、同じ言葉を連呼するものが多く、
かも「英語ってかっこいいな、かっこいいな、かっこいいな
英語ってかっこいいな~♪」など、非常に単純…。
聞いたことあるような歌詞のパクリかと思うような曲も多数。
「まさし!まさし!」とやたら叫んで、最後に「まさしって誰?」
で終わる歌…まさしが誰なのか、こっちが聞きたいよ…って感じだし。
「君を連れ去ってカギをかけて飼いたい」などというヤバイ感じの
歌詞もある。とにかく思いのまま!何のしばりもなく自由!
聞く側の気持ちへの配慮は無し!作り手が言いたいことだけを
メロディーに乗せている。
前出の小林先生に言わせれば「幼稚・陳腐・稚拙…」と一喝されそう。
だが、リズムやメロディー重視の現代の若者には、逆にストレートで
露骨、意味不明(言い過ぎ?)な表現の方が好まれるのかもしれない。
歌詞の世界にも、ある種の「価値観の多様性」を感じた…。

2013年2月2日土曜日

東大オケ【数学担当】

息子の幼なじみM君が
「おばちゃん、来週の土曜日演奏会に来てくれる?」
と、電話してきた。
一時期近所に住んでいたので、息子同様にかわいがっていた子。
「かわいいM君のお願いなら、おばちゃんどこにでも行くよ」
とばかり、二つ返事でOKと答えた。
実は彼は今年東大に合格。オーケストラ部に入部した。
その定期演奏会のお誘いだったわけ。
いや~、びっくりしました。何って、学生があそこまでやれちゃうなんて…
場所はサントリーホール。あの大きな会場を埋めるだけの人が集まり
指揮者はプロ。他にもオルガン演奏第一人者と言われる人が
パイプオルガンを弾いたりして、そこに十分こたえるだけの彼らの演奏。
クラシックにはあまりなじみがないので、詳しいことはわからないのだけど
私は感動した~。
そして、ミーハーな言い方をすれば、あの子も東大生、この子も東大生…
お勉強もできるのに、バイオリンもそんなに上手に弾けるのねって。

M君のお母さんから以前聞いた話。
もともとは地元(関西圏)の国立大を第一志望にしていたのだけれど
東大オケの地方公演を聴きに行ってから一転、
あそこで自分も演奏したい!と志望校を変えて勉強を始めたそう。
”志望校決定するときには、将来の自分がなりたい職業を決めて
そこにつながる学校を選ぶと良い”なんてことが、よく言われるけど
M君のような目標の持ち方もいいな、って思った。
そして、その目標が叶って今そのステージに立てている君は偉いよ!
と、おばちゃんはウルウル(涙)としてしまったわけです。
どこの学校に行きたいかわからない…という生徒さんの話をよく聞くけれど
きっかけなんて、どんなことでもいいんじゃないかな。
私なんて、「東京の大学に行きたい」ってただそれだけだったもん ^^;
で、あと数学やれれば…(こっちが第二!?)

千葉の中学・高校入試がひと段落しました。
合格の嬉しいお知らせがたくさん届いています。
昨日からは東京の中学入試が始まり、来週には高校入試も始まります。
最後の力を振り絞って、がんばれ~!!