2014年10月1日水曜日

神様・仏様【国語担当】

加齢の故か、最近は「哲学」「宗教」思想」などといった、観念的なものに
興味、関心を持つようになった。

私たちは、よく「お助け下さい…神様、仏様」なんて言ったり、神に祈り、仏に祈り…。
結婚式は、教会で行い、子供が生まれると神社に参り、死ねば寺院での葬式。
神と仏が混在し、他の宗教では、考えられないような独特なものとなっている。

神…人間では考えられないような不思議な力を持っていると信じられているもの。
信仰の対象となるもの。超人的な能力を持つもの。
仏…悟りを得たもの。死人、またその霊。正直で慈悲心の厚い人の例え…と辞書にある。
神様の絵を書いてみる→アゴヒゲと頭上に輪を書いた→キリストっぽい仙人だ。
仏様の絵を書いてみる→頭に三角のハチマキを書いた→単なる死人っぽい。
では、神様の名前は…「ヤマトタケル」?「七福神」?
釈迦も仏陀も観音如来も菩薩も、もちろん大仏も、すべて仏様である。
しかも、死んだ祖父母に至るまで「仏様」で、仏は広範囲に渡ることに気付く。
学術的には、多少の違いはあろうが、そんな分類は、私たちにとっては、問題ではなく、
それぞれ有り難さには変わりない。

宗教に関する世論調査によると、『信仰・信心に関しては、「仏」を信じている人が
最も多く、次いで「神」が多いという状態が続いている。そうした中で、
「あの世」「奇跡」、そして「お守りやお札、パワースポットなどの力」を信じている人が
最近増加している。しかも若い世代に多い』とある。

シンクレティズム(重層信仰)…日本人の信仰は、仏像を拝み、神棚に手を合わせる。
八百万の神に心を寄せる重層信仰である。
日本人の多くは無宗教ではなく、自然宗教の信者である。日本人の信じる自然宗教とは、
「ご先祖を大切にする気持ちや村の鎮守に対する敬虔な心」すなわち先祖崇拝。
私たちにとって神とは、すべての神、すべての御仏(先祖様)なのである。
 
日本においては、宗教の世俗化が進んでいる。宗教の世俗化とは、宗教が日常の考え方の
枠内にとどまっていくことである。つまり宗教が世間的に充実した生活を送るための
手段になることである。単なる心の平安を得るための技術になっているのだ。
それが、紛れもない世論調査の結果なのだ。
救ってくれる神(いや御仏か…)は、それぞれの心の中にのみ存在するということか…。
そんなことを考え始めると、夜も眠れない今日この頃である。

0 件のコメント:

コメントを投稿