2014年3月1日土曜日

定期試験の販売【数学担当】

教室に通っている生徒さんたちの学校で定期試験が始まっている。先週くらいから今月の中旬くらいまで学校ごとにずれはあるが、このところ試験対策が主な授業内容になっている。
さて、「全国大都市を中心とした中学高校の定期試験をネット販売していた」というニュースが一部新聞に掲載されていたが、目にした方はいるだろうか。
名古屋市で塾経営をしている男性が、自治体(千葉市を含む)に情報公開請求をして
46万枚以上のテストを入手。その後男性の知人が1教科1回分を200円でネット販売しているという。
今回のこの問題点は何か。
小説の文章などを販売すると著作権の侵害になるので国語の問題は除かれているそうだから
そこに法的問題はない。また、東京都などは「テストの著作権は東京都にある」としているが、
著作権を主張できるほど創作性が高いものかどうか、グレーゾーンである。
むしろ開示請求を拒否した愛知県の「公にすることにより傾向がわかり生徒の成績に大きくかかわる」という意見や、販売されている問題を作った先生の「苦労して作ったテストが販売されているなんて腹立たしい」と言っていること、この方が本音なのではないか。
お金を払って情報を得た人だけ成績が上がるなんてずるいし、問題作成の労力なしにお金儲けするなんてずるい!ということ。

けれどもその一方で「入試の過去問は販売されているじゃないか」という意見もある。
もっと言えば学校のHPサイトに行けば、無料で過去問をダウンロードできる。
近隣の学習塾では試験前には過去問を生徒に配って試験対策をしているが
これは決して特別なことではない。中にはその学年のテスト作成教員を調べ、
過去にその教員が作った問題を配布しているという徹底した塾もある。

ひとえに今回の問題はあまりにも大げさにやりすぎちゃった…というところだろう。
細々とやっていた過去問対策を、無差別にだれでもPCのクリック一つで入手できてしまう
上手い商売をした人とそこから簡単にテストを入手した人に、なんとなく面白くないな
という気持ちが湧きあがるのは確かだ。
だとしたら、過去問を解いても簡単に100点が取れない多面的な問題(高難易度という意味ではない)を作成するとか、問題を作った先生にはお手当を出すとか対策があるのではないか。
過去問を解くことによってその単元の重要項目を再確認できる。そして、その問題を解くことにより今回きちんと覚えておかなければいけないことを学習するいい機会になる。だから、そんなに目くじらをたてて怒らなくてもいいのではないのかなと私は思う。一番大切なのは子供たちの学力が向上することなのだから。


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