2011年10月26日水曜日

日本人固有の感受性【国語担当】


以前、日本人は、四季の移ろいに敏感で、
自然に対しての感受性が豊かである…
と書きましたが、それについて、さらに考察してみました。
位置的にみて、日本と同じ気候を持つと考えられる国は…
韓国・中国(北京)・トルコ・イタリア・スペイン・アメリカ等々
「四季」がある国々です。では、なぜ日本人が
特に「四季の移ろい」に敏感と言われるのか。
古来から、四季折々の自然の変化が、人々の暮らしと結びつき、
独特の季節感や自然観・心情を育んできたというのが一般的な考えです。
もちろん、自然の変化に加え、日本の宗教がアニムズム
(自然現象に対しても霊魂の存在を認める考え方)で発展した点も
大きい要因です。自然を祖先と同じように、崇拝し、畏敬の念を
持って祀ってきたのです。
これは、各地に伝わる伝統芸能や祭礼行事にも表れています。
それだけではなく、日本人固有というと、
「四季のうつろいを五官を通じて感ずることが
できること」…でしょうか。
五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)とは、すなわち
…五感(見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる)。
四季の移ろいを見て感じる→「花見」「紅葉狩り」「月見」、
聞いて感じる→例えば虫の声・雨の音、
嗅いで感じる→若葉の匂い・風の匂い、
わって感じる→「旬」という食物の季節感、
触れて感じる→夏の暑さ・水の感触…。
万葉集や古今和歌集の歌の多くは自然の風景や動植物に心を託したものですし、
短歌や俳句に季語が欠かせないように、日本人にとって、
四季の移ろいは切っても切れない大きな存在なのです。
つまりは、「四季の移ろいを敏感に察知し、日常の生活(文化)に
反映させている」から…でしょう。


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