2011年10月5日水曜日

日本の文化 秋 紅葉狩り【国語担当】

日本人は、四季の移ろいに敏感で、自然に対しての感受性が豊かである
といわれています。また、島国であることで、独特の繊細で豊穣な文化を
醸し出してきたとも…。
秋といえば、「実りの秋」「食欲の秋」「芸術の秋」「読書の秋」という
表現にたとえられるように、それにちなんだ行楽や行事がたくさんあります。
そのなかで「紅葉狩り」について書いてみたいと思います。
…とても優美な響きでしょ。
「万葉集」のなかですでに、紅葉の美しさを愛でる多くの歌が詠まれています。
「源氏物語」では、貴族の優雅な遊びのひとつとして描かれ、そんな貴族の
様子を真似て、江戸時代には庶民も紅葉狩りへ出かけるようになったそうです。
春は「お花見」、秋は「紅葉狩り」。どちらも、散りゆく寸前の美しさ、潔さを
愛でる…諸行無常の感覚でもあり、はかない人生を投影する対象でもあります。
自然信仰に導かれた日本文化特有のものでしょう。
現代は、「紅葉狩り」とはいうものの、「ぶどう狩り」「松茸狩り」など、
それこそ「実りの秋」を楽しむバイキングツアー…。
だって「天高く 馬肥ゆる 秋」という名言があるじゃない?
と思っていたみなさん!間違いです。
中国の故事で、「秋には、夏の間に青草を食べて元気を取り戻した馬にまたがり、
西方から敵が攻めてくるから、警戒しなさい…」という意味だそうです。
日本と中国では、秋に対する期待感(?)が違うのでしょうか?
しかしながら、今年はすでに「初冠雪」の便り。
真っ白な雪をかぶった、真っ赤な紅葉…もまた、一興でしょうか。

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