2014年8月27日水曜日

Forever love【国語担当】

先日、X-JAPANToshiの軌跡のドキュメント番組を見た。X-JAPAN世代でも
なかったので、事情はよく知らなかったが、ある宗教団体の広告塔…ということは、
小耳にはさんでいた。12年間に及ぶ洗脳から抜け出すまでの、壮絶なドラマだった。

「宗教」を定義づけるのは、非常に難しく、千人の学者がいれば、千の定義が
なされるという。一般的な定義は「経験的・合理的に理解し、制御することのできないような
現象や存在に対し、積極的な意味と価値を与えようとする信念・行動・制度の体系」。
簡潔に言えば「神仏の教え」、やさしく言えば「神仏などを信じて安らぎを得ようとする
心の働き」である。私は「宗教」と「思想」は千差万別であり、非難も推奨も、
そして迎合もすべきではないと思っている。

人々は、いろいろなことに思い悩みながら生きている。前出のような制御不能の
体験(状況・状態)に陥った時、救いを宗教に求めることは、必然なことであろう。
しかし、伝統的な宗教・宗派も確固たる助けを準備していないのは事実だ。
そこで「新興宗教」が現れ、人々に何らかの方向性を示し、その共同社会に取り込もうとする。
これこそ、Toshiがはまった宗教(カルト集団の)である。魔術的なものを信じ、
多額の喜捨をし、集団の会合に参加することで宗教的な救いが得られる…というものだ。
得られているのか、それはわからない。このような集団を、反社会的行為を行う
詐欺的暴力的な宗教団体を呼ぶことから、得られていない!というのが真実であろう。
 
日本人は、独特の宗教観を持つ民族である。
一つの宗教や宗派へ帰属する意識の強い人に対しては、一定の距離を置いており、
他の宗教や宗派についても寛大で、時には無関心でさえあるのが特徴だ。
無宗教なのか?そうではない。日本人は真摯な宗教心を持っており、それは、「民族神道」
(民間神道)と言われるもので、それがいつも心の基となっている。
 
いまから、13年ほど前、近所のスーパーでToshiのミニコンサートを見たことがあった。
彼は、もちろんノーメイクで、普段着で、サングラスもなし。宗団の曲を歌っていた。
なんだか、胡散臭いコンサートだった。あれは、宗団員のToshiのコンサートだったのだ。
「洗脳」から抜け出した彼は、以前のビジュアル系ロックバンドのボーカル:Toshi
戻っていた。彼の歌声が、全盛期のものと変わらなかったことが、奇跡に思えた。

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