2013年7月17日水曜日

多浪を語る【国語担当】

昔々、戸籍に登録された地を離れて、他国を流浪している者の
ことを意味し「浪人」と呼んだ。現代においては、就職や進学先が
決まっていないのに、卒業した人の総称。
「学生浪人」とは、現役(高校卒業見込み年度)時に、第一志望に
合格できなかった等の理由により、受験生の延長戦を戦う者たちのこと。
※ケース…①第二志望は合格したが、第一志望に合格できず、「浪人」となる者。
②受験した大学全てに不合格(全落ち)し、自動的に「浪人」となる者。
③私立専願で私立大へ進学するつもりであったが、不況等の理由により、
私立大へ進学できなくなり。「浪人」せざるを得ない者。
④一度社会人になったが、再び受験生となる者。
※形態…①自宅浪人(宅浪) ②予備校生 ③仮面浪人(他大学に
通いつつ、第一志望の大学への合格を目指し勉強するもの)
「浪人」する学生の推移…1985年は、2.6人に1人の割合だったが、
2011年には、7.7人に1人(13,3%)と激減。大きな理由は、
少子化や入試方法の多様化により大学受験そのものが楽になっていること。
「浪人」のデメリット…お金がかかる。志望する大学に合格できる保証はない。
所属組織がない不安定な身分である。そして何より、浪人生活中の
精神面での疲労は半端ない(落ちる夢を何度もみる)。
夢破れれば、結局「お金と時間の無駄」ってことになる。
「浪人」のメリット…「背水の陣」という真剣勝負感が、日々を充実させる。
世間に対する後ろめたさ・挫折という経験・より高い志望校への志→
浪人生同士共有できる。そして夢叶った時の達成感は、格別だ!
 
「浪人」して志望校に合格するのなら、皆「浪人」する。
でもなぜしないのか? それは、確信がないからだ。
浪人するにあたり、自分の能力的な問題を再考すべきである。
他の人は3年(高校生活)で受かるのに、なぜ自分は4年必要なのか。
十分勉強したと思うのなら、その大学に入る学力がそもそも足りないのではないか。
だとすると、「浪人」は無謀な試みということになる。
明らかにスタートが遅かった・個人的な問題で勉強に集中できなかった・
地方出身(地方の公立高校)ゆえに、都内の中高一貫校との教育レベルの
差による敗北…という理由なら、希望はある。しかし、それ以外なら
生涯にわたるデメリットを増やすだけではないだろうか。
で…「多浪」とは、三浪以上を指す。なぜ「多浪」になるのか?
諦めきれない・今更やめられないからだ。医学部受験生に多いパターン。
そして、その末路は…塾講師と言われている。

0 件のコメント:

コメントを投稿