2011年8月31日水曜日

「日本の文化…①謙遜の文化」【国語担当】

 日本人には「自分に関する事柄をへりくだる」ということを
一種の美徳とする傾向があります。これが「謙遜の文化」です。
ひとつの言葉に「尊敬語」「謙譲語」があるのも、その所以です。

例えば、よく目にする場面…知り合いの自宅に招かれて、
「小生の拙宅へ、ようこそ…。」
「愚妻です。」と奥様を紹介し、
奥様は「粗茶でございます。」とお茶を、
「お口汚しですが…。」とお菓子を出し、
帰省中の息子が挨拶すれば「馬鹿息子でして…」
さらに、車で帰宅した息子のことは
「親ばかで…こいつは金食い虫ですよ。」なんて言う。
誉めれば、「とんでもない!」と謙遜され、
帰りには「何のお構いもできませんで。」と謝罪され、
「つまらないものですが、御家族に」と手土産まで持たされる。
これぞ「謙遜の美学」の極み?!

こんなに謙遜し合うのは、日本人だけなのかもしれません。
一説によると…島国で、ほとんどが同じ民族、
同じ文化で育っているから、
「自分は…」と自慢する必要はなかったから…とも。

先日、レストランで「お客様は、何名様ですか?」と問われ、
「1名様です!」と答えている人がいました。
思わず「お前は、チャン・グンソクか?!」
と突っ込みたくなりました。
なんたって彼は「俺様」ですから…(汗)

…客人が目にした場面は…
拙宅は、都内、高級住宅地の一戸建て。
愚妻は、和服美人もしくは巻き髪の洋装美人。
粗茶は、1003000円はするであろう京都宇治の名茶葉。
(または、ティーポットで紅茶…茶葉もカップもウェッジウッド)
お口汚しは、とらやの羊羹
または、奥様手作りの洋菓子…フランス仕込み)。
帰省中の馬鹿息子は、京都大学の院生。
親ばかは、息子の合格祝いにBMWをプレゼントしたこと。
(推薦入学で、お金がかからなかったからだと!)
金食い虫は、イケメンの慶応大生。
土産のつまらないもの(粗品)は、千疋屋のフルーツケーキ。
…俺様だったら、なんて言うのだろう?!

1 件のコメント:

  1. 夫の実家へ行った時のこと。
    お客さんに母がメロンを出しました。
    私は「甘くておいしいですよ。遠慮なくどうぞ。」と言いました。
    すると母がすかさず
    「すみません、うちの嫁海外生活が長くて…〇〇さん(私のこと)お出しした側が自慢しちゃだめ!」って、叱られてしまいました。
    いいじゃない、美味しいんだから。
    でもって、海外生活長いってそれ、自慢じゃないの?!

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