2014年4月19日土曜日

どこまで買えるか【数学担当】

以前ブログで紹介したスーパープレゼンテーション(Eテレ水曜22時)で面白い講演があった。
ハーバード大学白熱教室で有名なサンデル教授の
「市民生活が市場主義に支配されていはいけない」というテーマだ。内容は…
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今や、お金で買えないものはほとんどない。
例えばテーマーパークのジャンプパス。このパスを持っていれば
どんなに長い列でもジャンプして一番先頭に入れる。
さらにCAの刑務所にはスペシャルルームがあって、一晩82㌦払えば清潔な個室ベッドルーム
が確保できるという。鉄格子はあるが…。
こうしてお金で買えるものが増えれば、生活の基本である選挙・保険・教育までもが
左右され、持つものと持たないものの格差が生まれてくる。
そしてお互いの接点が薄れてしまう。
ある小学校で、本を一冊読み終えるとご褒美としてお金をあげるという試みをした。
これによって、今まで本に興味を持たなかった子供たちが読書の楽しさを知ることができ
一方で読まれる本はページ数の少ない薄いものが増えたという。
金銭というモチベーションが、読書本来の楽しさという価値観にとって代わってしまった。
私たちの本来の喜びがお金で買われてしまったのだ。
普通の暮らしではいろいろな人々が交流し、社会的一体感を持つことが必要である。
そんな社会でなければつまらない。なんでも買えるということは何でも買われてしまう
(楽しみまでも)ということになる。
市場主義に支配されてはいけないのだ。…
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先週の「住む場所」で、教育熱心な地域についての新聞記事を紹介した。
これを読んだとき、サンデル教授のプレゼンテーションを思い出したのだ。
接点が薄れた環境に暮らしているのではないか、という気持ちになった。
大学生になってアルバイトを始めた長男が、働くことによっていろんな立場の人と会うことができ
考え方や将来に対する思いなどに触れる機会があるという。
そこで自分が感じることも多そうだ。
次男が部活交流している他校は進学校ではないところも多い。
春には社会にでる彼らは、自分の将来をしっかり決めてなんだかカッコよく見えるらしい。
自分たちのエリアから少し外に出てみると、楽しいこともたくさんある。
息子たちの話すことや顔つきが少し変わってきたのはそんなところにあるのかと感じている。

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