2013年5月29日水曜日

良問【国語担当】

最初に、入試問題の意義について考えてみよう。
①高校(中学等)までの学習が身についているかを確かめること。
②大学(高校等)に入学してから、その学校で研究(学習)できる能力が
あるかを確かめること。
公立高校の入試・センター試験については、①が大前提。
私立や二次試験では②重視。

数ちゃんの内容を受けて、私は「国語」についての考察。
本年度のセンター試験の問題に関して、何度か書いてきたが、
この考察において、センター試験の「小林秀雄」の問題を例に考えてみる。
①②いずれの観点からしても、「小林」の問題は失格。
注釈の多さについて非難したが、初めの一文字「鍔(つば)」からいきなり注釈。
出題者は「鍔」を受験生が知らない可能性があると認識しながら、
問題文を選んだことになる。受験生が知らないかもしれないものについて
書いた文章を解かせようとしたことになる。極めて非常識だ。
この21もある注釈が大きな「罠」となった。注釈をいちいち読むと
理解困難となり、内容把握困難、かつ問題に集中できない。
注釈なんか無視して、どんどん読み進めていけば良かったのだ。
結果、国語がよくできる人は高得点。ちょっと得意な人は、注釈の「罠」に
引っ掛かり、壊滅的。すごく苦手な人は「罠」にも気付かず、平均点が
下がったことで逆に有利に…。まあ、選抜試験としては、最悪だ。
この「小林」の文章は、随筆にあたる。「随筆」とは、感情または気分の
赴くままに書かれたもの。つまり、論理的ではないのだ(客観性に欠ける)。
また、問題がいわゆる「悪問」だ。
問題担当委員も複数で作成しているはず。他の科目の担当委員も目を通すはず。
(他の科目の問題にヒントが出るのを防ぐため)
①出題担当委員全員がセンター試験の問題として適切だと考えたのか
②出題者に遠慮して(大御所とか)他の担当者が問題点を指摘できなかったのか
センター試験は公平性を重視し、教科書や過去問との重複を嫌う傾向が強い。
「批評の神様」と言われ、その難解さで受験生を苦しめてきた小林の文章であるが、
最近は出題数が激減している。今の受験生に馴染みのない小林の文章は、
公平性という意味では、重複に配慮した結果なのかもしれない。
とにかく本年度の問題に関しては、賛否両論、いや非難ごうごう!
 
では、「良問」とは…現代文は原則「論説」にすべき。内容は、
現代文化論か歴史論。客観的な意味伝達があるので、解答も客観的な唯一性が
保持できるからである。
さあ、上記のような批判を踏まえて、来年度はどのような問題が出題されるのか?
有識者も唸るような「良問」を期待したい。

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