2016年6月25日土曜日

父の日に電話

前回父の日に電話をしたのは、何年前だろうか。
無口な父は電話でも言葉数が少なく、話が盛り上がらない。
ついつい電話をすることもおっくうになり、ほとんど連絡することがない状態にある。
先日義母が交通事故にあい、人の生き死にとは不意に訪れるものなのだと実感した。
もちろん義母はすっかり元気になり、普通の生活を送っているが
あの電話を受けたときは、本当に最悪の事態を考えた。
そんなことも頭にあったので、今年の父の日には電話をしようと思っていた。
実際のところ、日曜日は仕事先の研修で一日中拘束され
ヘロヘロになって帰ってきたため、電話のことはすっかり失念していた。
月曜日になり、あっと思ったのも時すでに遅し。
もう今年はいいかな~、と思い始めてもいた。
でもでも…、あの時に話をしていたらよかったなんて後悔することだって起きないとも限らない。
忘れていた自分を暴露するようでばつの悪い状態だったが
とりあえず連絡してみた。
父は相変わらずの言葉数で「元気か?」とか「こちらは元気だ」とか
「朝晩はまだまだ肌寒い」とか、いつものあたりまえの返事しかない。
本当に変わらず元気にしているのか。
困ったことはないのか。
なにより、私が電話したことを喜んでいるのか。
なーんにも、わからない。
でも、わからなくてもいいや。
父の日に一日遅れで電話したことを、私は父との思い出の一つとして記憶の箱に入れたから。



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