きっかけは、昨年の夏、主人と二人で宿泊した宿のアメニティー。
主人はヘビースモーカー(死語?)で、その煙に完全にやられた
私を癒してくれたのが、数々のアメニティーの香りだった。
香りの力に感嘆!以来、「香り」の魅力にはまっているという訳だ。
日本における「香り」の起源は、597年。淡路島に偶然、1本の
流木が流れ着く。その流木が、あまりにも良い香りを放つので、聖徳太子に献上すると「沈香」(甘く爽やかな香りがする木)
というものだと判明。
奈良時代には仏教伝来とともに様々な香りが大陸から伝わってくる。
平安時代に入ると、貴族の間では、香を焚くのが日常となり、
香りを当てる「香道」という優雅な遊びや、着物に香りを移し、
自分の存在をアピールしたりするようになる。
武家社会では、お守り替わりに香を焚いたり、匂い袋という形で
持ち歩き、香りを楽しむようになったという。
しかし、本格的な「香水」としての歴史は浅く、明治になってから。
日本は湿度が高く、また着物は香りがこもり易く、香りが変化し、
悪臭と感じる嫌いがあったようだ。
更に、日本人は体臭が少なく、人と人との距離が短く、
日本食には繊細な香りしかしないし、梅や桜といった繊細な香りを好む
傾向があり、民族的に嗅覚が敏感だという。
逆に香りを消す「消臭剤」が好まれる現実もある。
確かに満員電車で香水の匂いにうんざりすることもしばしば。
きつい香水は、バブルの時代を思い出すようでもあるし、
アロマの香りは、なんとなく宗教的に感じる向きもある。
欧米では、香水はむしろ実用品(日用品?)に近く、種類も豊富で
ほとんどの人が日常的に使用している。
しかし、日本では、製品の種類に必ず無香料の商品が作られ、
それが一番の売れ筋だという。日本人にとって、「香り」は
まだまだ、リスキーなオプションなのであろうか…。
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